一般病院連携精神医学専門医コアコンピテンシー

一般病院連携精神医学専門医(略称:精神科リエゾン専門医)とは、主に総合病院で行われる医療(周産期、周術期、救急医療、集中治療、臓器移植、緩和ケア等)において、全ての診療科や多職種チームと連携して精神医療を提供することで、医療やケアの改善を図る精神科医である。医療者支援を行い、医療の質と安全、医療倫理などの問題にも積極的に関与して、患者・家族がいつでもどこでも心身両面にわたって最適な医療やケアを受けられる社会をつくることを目指す。

補注

コンサルテーション(主治医から依頼を受けて助言および治療を行う方法)とリエゾン(予め連携し、定期的に関与して予防および早期介入をめざす方法)を区別し、これらを合わせてコンサルテーション・リエゾン精神医学と呼ぶことがあるが、ここでは包括的に短くリエゾン精神医学と呼称して用いる。

1 患者理解と介入

身体疾患およびその治療プロセスに伴って生じる精神症状や心理的反応、さらには患者及び家族の心理社会的困難、実存的苦悩を適切に評価診断し、専門的な臨床対応を実践する

2 多職種協働とアウトカム改善

救急・集中治療、周術期、周産期、緩和ケア領域などにおいて、診療科を越えて迅速かつ柔軟に多職種と協働し、個々の患者・家族の身体的・精神心理的・社会的状態の最善化を図る

3 人権と倫理

患者・家族の人権を尊重、擁護しながら、意思決定を支援し、臨床倫理に配慮した適正な精神医療を行う

4 チーム医療とリーダーシップ

地域医療を含むさまざまな医療場面で、適切なリーダーシップをとりながら、多職種チーム医療の活性化、継続を積極的にサポートする

5 関係性とコミュニケーション

患者、家族のみならず医療者間の相互関係を理解して、効果的なコミュニケーションを促し、適切なコンサルテーション・リエゾンを行う

6 振り返りと自己研鑽

自らの臨床実践を振り返り、その課題を適切に捉え、自己学習、学術集会、他者との交流などを通して、生涯にわたり自己研鑽を続ける

7 EBMと臨床実践

科学的根拠となる情報を収集し、批判的吟味の上、リエゾン精神医学の臨床に適用する

8 教育と育成

医学教育の連続性を理解し、医学生や初期研修医、医療従事者に対して教育的役割を果たすとともに、精神科リエゾン専門医の育成に努める

9 リサーチマインドと学術活動

リエゾン精神医学に関するリサーチマインドを持ち、学術研究活動を行う

10 医療安全と医療経済

患者個々の背景を考慮して、適切な医療資源の提供を提案・実行し、医療の質と安全、医療経済の向上に寄与する

11 システム構築と改善

地域医療を含むさまざまな医療場面で、リエゾン精神科医として、最善のケアを提供できるシステムの構築と改善に寄与する

(1〜11の各コアコンピテンシーの下位に具体的なコンピテンシーを配置する、あるいは補足説明を添えることを検討する)